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・・・釣り人は、どこへ彷徨くのか?・・・
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つぎにどこでどれだけ釣られているかを見てみます。
これは黒丸の大きさで釣獲量を表したものです。
最大の浦戸湾が124尾、四万十川が88尾、奈半利川河口で87尾、
最小は室戸市羽根川河口・宿毛市福良川河口などでの1尾となっています。
この図からは何処にアカメが多いかをみることができます。
 
年々アカメ釣りは盛んになってきました。
とても人気のある釣りでいまや一年間で私が調査した15年間540尾あまりの数
以上が釣られているのではないかと思われます。

上が50cm未満のサイズで高知県西部と中部で釣獲されています。
中は50〜100cm未満です。
ほぼ全域で釣られていますが東部で多いことがわかります。
下は100cmを超える大型魚ですが、平均的に分散しています。
この図から重要なことが見えてきます。わかりますでしょうか?
 一番上の地図と下段の地図を比べてみてください。
50センチ以上のサイズは東部が最も多く釣られているのに、
一番上の図を見ると50センチ以下のサイズはまったく
東部では釣られていないのです。
この事は、浦戸湾から東にはアカメの保育場である
コアマモ場が全くないことと関連があるとみてよいと思います。

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私と町田吉彦高知大学教授はアカメが高知県絶滅危惧種iA類に
指定されていることに疑問を感じ検証しました。
その結果、アカメは環境省のレッドデータブックでの
カテゴリーである準絶滅危惧種に該当するという結論を得ました。
この検証は11000字あまりの字数で、A4のワード文章で
14ページになります。
詳しく見るのはとても時間的に無理ですのでホームページ
「アカメの国」をご覧下さい。
この検証をもとに「アカメは絶滅危惧種に該当しない」と、
私が高知新聞で意見を述べ県に見解を求めました。
しかし、梨のつぶてです。見かねて町田先生が追加意見を
出してくれました。それでも現在まで絶滅危惧種に指定した
専門家ならびに県はほおかむりのままです。
どうして科学的根拠なしに絶滅危惧種に指定したのでしょうか。
みなさんは疑問に思われることでしょう。
それは専門家がデータを持っていなかったからの一言に尽きます。
私と細川さんはこのアカメについての検討委員会の資料を
情報公開制度を利用して県から入手しました。
驚くべき内容のものでした。
アカメのデータは数尾分、5本の指で足ります。
さらに驚くことはアカメの仔稚魚が生活できる保育場は
県下3カ所しかないとされております。
これは知っている人がみれば、のけぞったり吹き出したりすることでしょう。
なるほどこれだけの資料と昔の情報で判断してしまえば
アカメは今にも絶滅するとなるのも頷けます。
今後、アカメの釣獲データは大変重要になります。
資源量を正確に知る上でも、県下の分布を明らかにする上でも
貴重な資料です。
なんのデータも持たずに増えた、減ったと論議をしても
何も得られない不毛の論議です。
広い沿岸域を持つ高知県で、県にデータを採れというのも無理な話です。
私たちが集めようではありませんか。それしか方法がありません。
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釣りサンデーの記事で紹介しましたが、93年当時はアカメも
バラマンディのように性転換すると考えられていました。
全長1メートルまでは全部♂と思われていたのです。
私たちの調査でアカメは性転換しないことが明らかになりました。

(画面切り替え)
これはわたしが、1983年から98年、16年間での主に釣りによって
捕獲されたアカメの高知県に於ける情報を集めたもので、
記録の収集方法と記録数をまとめたものです。
情報は、
● 釣り人への直接アンケートにより333個体、
全長18cmから137cm。
● 自分の記録で161個体、54cmから129cm。
●雑誌や新聞などから48個体で
サイズは全長55.2cmから130cmです。
こうして集めた情報から
●アカメはどういう環境の場所に多いか?
●アカメはどの季節に多く釣られているか?
●高知県下では何処で多く釣られているか?
●釣られたアカメのサイズは地域によって
違いがあるのか?
●季節による回遊はあるのか?
●成長による回遊はあるのか?
を集めた情報を分析してみてみました。
ここから彼らがどんな生活をしているか、
一部分ですが、見てみましょう。

(画面切り替え)
アカメの日本における分布を見てみます。
この分布図は1996年に日本水産資源保護協議会が出したものです。
この本は各種希少種について書かれたもので、アカメの担当は
木下 泉・岩槻幸雄両氏です。
それによりますと、本種の出現は、鹿児島県(志布志湾)、
宮崎県(沿岸全域)、大分県(臼杵)、高知県(土佐湾沿岸全域)、
徳島県(宍喰・海老ヶ池・牟岐・那賀川河口)、
大阪府(淀川河口)、和歌山県(湯浅湾・白浜・富田川河口・里野)、
静岡県(浜名湖)で記録されている
(荒賀・田名瀬、1987;Iwatsuki et al.1993;鍋島ら、1994)。
しかし、宮崎・高知・徳島県以外の地域では、
全て散発的な出現であること、また、徳島県では1982年以降、
出現記録がないことから、現在の生息域は宮崎・高知県に
限られるといってよい。
その他、屋久島・種子島・高知県宿毛・三重県においても
本種に関して何らかの情報はあるが、確認されるにいたっていない。
と記述されています。
なお、この本は高知県レッドデータブックのアカメの分布についての引用文献です。 
 画面右下の図は私が新たに手を加えたもので、新しい情報を整理してみました。
●愛媛県宇和島市で新たな確認。大分県臼杵市番匠川河口で複数確認。
● 噂であった鹿児島県種子島・高知県宿毛市・三重県尾鷲市で確認。
種子島には釣り人から成魚の提供が3尾ありました。
また、3年連続で種子島に調査に行きまして幼魚2個体を採集しました。
こうしたことから種子島には個体数は少ないが生活のサイクルがある
ということがわかりました。
● 1982年以降出現記録がないとされていた徳島県で次々と追加記録がでています。

(画面切り替え)
高知県での分布を環境別に色分けして表した図です。
●が海域、●が内湾域、●が河川内などの汽水域、▲は未確認情報です。
  
ちなみに県版レッドデータブックでは高知県の地図上に5カ所のみです。
えー、次にアカメの生態について観てみたいと思います。
左上の図は、1988年に木下泉さんたちが書かれた論文の中に
出てくる稚魚の時代、このA.B.C.が後期仔魚でありまして、
D.は稚魚であります。
(以下、口頭の説明を記述するのみでは概略が明らかに
ならないので、長野さんの原稿より内容を抜粋)

 写真のほうのA~Cは浦戸湾水系で私たちが採集した個体で、
(A)は体長11mmの稚魚(B)が幼魚で体長112mm
(C)は若魚で全長280.4mmのものです。
これらはデータをとったあとすぐに放流しました。
(D)は成魚で全長640mmです。成長にともない体形が
このように変わっていきます。

この2個体は浦戸湾水系で採集した個体ですが
体色がずいぶん違います。上の個体が一般的なもので、
下はとても変わった体色をしています。これは色彩変異のものです。
この2個体もですが、先に見た稚魚から成魚まで全て生きている
時の体色でして、興奮時の体色です。
人間に捕まって興奮した時の色で、いつでもこういう体色を
しているわけではありません。
リラックスしている時は全体に灰白色っぽい白銀をしています。

釣り人と研究者との協力による成果についてお話しします。
この図は1993年7月4日号の旧「週間釣りサンデー」の1ページです。
私はこれを読んで仰天しました。
この記事のどこに驚いたかといいますとこういう記述がでてきます。
●体長90センチから雌に変わる性転換魚のようである。
● 狭い河口域で1メーターを越えるアカメはそう多くはない
ので釣りなどで捕獲されると雄ばかりになって激減しないかと
研究者は心配している。
などの記述でした。
当時、私は数十匹のアカメを釣り料理して食べていましたので、
60センチのアカメが立派な卵巣を持っていることはわかっていました。
また、アカメは河口の汽水域だけでなく一年をとおして沿岸で
生息していることもわかっていました。
愛読書の釣りサンデーがアカメについてこんな出鱈目を
書いてはいけないと、すぐに「釣りサン」に電話をしました。
電話で応対してくれたのは、当時編集長であった小西英人さんでした。
これをきっかけにサンプルや情報を研究者に届けることになり、
また私がその後、釣り雑誌に書いた記事などでも
広くサンプル提供を呼びかけたりしました。 
こうして釣り人が提供したサンプルがアカメの研究に大いに役立ちます。
小西さんとは後日談がありまして、私は「土佐レッドアイ」という
クラブに所属していますが、電話でのやりとりした、その秋、
ヒラスズキ釣りの取材で釣りサンから2人の記者が来ました。
その一人が小西さんだったのです。
小西さんは
「なあんだ、あのときのえらい剣幕の人が長野さんでしたか」
と驚き、みんなで大笑いしたことです。
土佐弁で話すと聞き馴れない県外の人はけんか腰だと誤解します。

釣り人と研究者の協力でどうした成果があったかを少し見てみます。
この魚は、世界一大きいアカメであります。
きちんと記録として残されている最大魚です。
で、釣り人は彼、Nさんといって~の方なんですが、アカメの大きさに
ついてはですね、まあいろいろと言われているわけです。
例えば四万十川では牛を川に引っ張り込んだとか、浦戸湾では居眠りを
している大アカメに高速ボートが乗り上げて転覆したというような
破天荒な話もあります。魚類図鑑などでの記述ですが、一番多いもので
150cmという記述が一番多いです。
それから我が高知県が発行したレッドデータブックでは、全長2mに
達すると書かれております。これはのけぞるような大きさであります。
この2mというサイズにつきましては、高知が生んだ魚類学の先達の
蒲原稔治先生の1958年の論文に出てくるらしいですが、その論文は
聞き取りですから、噂のレベルのサイズであります。
蒲原先生の論文は、採れた種のリストが目的であったので、
魚のサイズについては一切出てきません。
公的な文書に書く場合は、証拠が要ると思うのですが、まあそれは
何処にも見当たらない。で、出てくるのはこれが最大であります。
で、、今までで高知県の新聞で報道されたとか、色々話題になった
魚を観てみますと、130cmが最大でね、するのが妥当、文書にする
場合には妥当じゃないかと私は思っています。
えー、そのアカメですが、かつてはバラマンディ、あのオーストラリアから
広い分布域を持つバラマンディですが、それと同じ種である
というふうに考えられていました。
1977年に片山正夫先生が、アカメはバラマンディとは違うという
ことに気がつきます。その後片山氏と多紀保彦氏の研究によって
アカメは新種として1984年に記載された、ごく新しく分類された種
であります。次お願いします。
・・・これは日本に生息するアカメ型魚類を3種類を並べてみたもので、
これはアカメで、国分川。これはオーストラリアン・バラマンディです。
これは沖縄本島で採集されたアカメモドキであります。
アカメモドキは、残念ながら高知県にはこのアカメしかおりません。
で、バラマンディは台湾から東南アジア、広くはインド洋から
オーストラリアにかけて、パプア・ニューギニアとか、うんと広い
分布域を持っていますが、アカメモドキは琉球列島から、えー、
西太平洋とインド洋で確認をされている魚であります。
次お願いします。
長野
「どうもこんにちは、長野です。
あの今日は、釣り人によるアカメ・ミーティングということで、
アカメの現状と、釣り人がどう付き合っていけばよいのか、
先ほど細川さんの話にありましたけど、条例の対象種には挙がってます、
決まるかどうかわかりません。これから、保護種に挙がったとしたら、
先ほど云われたように、パブリック・コメントが求められて、
県民の意見を広く求めて決めていくと、いう手順になってますので、
アカメ自体が候補に挙がるか自体も現在では判ってないですが、
論議は続けていくということであります。
で、あの普段、お米とか、芋とかを相手に仕事をしてまして、
百姓です。ですので、こんなところで話すのもめったにありませんので、
もう既に喉がカラカラで、お茶を飲ませてもらいながらやりますので
すみません、お願いします。
で、そういうことで、私があのこれから拙い話が、これからの論議の
参考になったらいいなと思います。
ええ、、ご存知の通り宮崎県では昨年の4月1日からアカメが保護種に
指定されました。で、一切の捕獲・殺傷・販売・所持が禁じられました。
高知県では先ほど言いましたが、現在どの種を指定するかで専門家と
県で検討が進められているようであります。
こうした話題になっている種の中で、ツキノワグマとか、ヤイロチョウ
などと違って、アカメほど私たちに生活に密着した生き物はないわけです。
アカメは漁業での重要魚種ではありませんが、シラスパッチ網とか、
定置網などで時々混獲されます。
また浦戸湾では頻繁に混獲されておりまして、魚市場に出ています。
で、私は見たことないんですが、サニーマートのお魚売り場にも
出ているぜよと、、ええ?というてビックリしたことがありますが、
そういうお魚であります。
で、安芸市の魚屋でも時々買えます。ええ、それからですね、四万十市では
皆さんご存知だと思いますけど、お土産屋さんへ行くと、もうたくさんの
種類のアカメグッズが売られておりまして、活躍してます。
そして、先ほどご挨拶頂いた滋賀の方のように全国からアカメを求めて
高知を訪れる釣り人の数というのは、四万十川だけで一年間で
おそらく4ケタになるであろうと、、のべ人数ですが。そういうふうな
人気のある釣りになっています。ええ、その釣り人が高知県に与える
経済効果ってのはどれほどのものになるかはわかりませんけれども、
食費とか交通費とか、宿泊費などから見ても、かなりな規模になるんでは
ないかと私は想像しています。
アカメはまた観光大使の役割も現在では果たしております。
・・・また、釣りというのは古来より嗜まれてきた日本の重要な文化
であります。毎年のように高知新聞を賑わす大物自慢にはお馴染みの
魚ですよね。夏の風物詩といっていい魚になっています。
で、釣りがあるからこそ、アカメがクローズアップされるといっても
まあ過言ではないと思うわけです。こうした状況の中で、この会議が
私たち釣り人がどうしたいいかを考えるきっかけになればいいと考えて
おりますのでよろしくお願い致します。

話の内容はこのお配りした、さっきそこに置いてあったんですが、
レジメに従って、この順番というかこの内容で進めていきたいと
思います。
最初にアカメはどんな魚なのかということを、見てみたいと思います。
(パワーポイントを使っての説明へ)
プロフィール
HN:
ぴ~2
性別:
男性
自己紹介:
↑小川健太郎が
我が家の家紋にと。
忙しそうだが
元気でやってるのかしら。


高知県在住の
チンケな釣り人です。
別名 細川裕史とかや。


一般には、《外見》に
惑わされないように
しなければなりません。
あるオブジェを選ぶというのは、
たいへんむずかしい。
半月後にそれを
好きなままでいるか、
それとも嫌いになっているか
わかりませんからね。
美的な感動を何にも
受けないような無関心の境地に
達しなければいけません。
レディ・メイドの選択は常に
視覚的な無関心、
そしてそれと同時に好悪を
問わずあらゆる趣味の欠如に
基づいています。

マルセル・デュシャン
「デュシャンは語る」より
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