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・・・釣り人は、どこへ彷徨くのか?・・・
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えー、次にアカメの生態について観てみたいと思います。
左上の図は、1988年に木下泉さんたちが書かれた論文の中に
出てくる稚魚の時代、このA.B.C.が後期仔魚でありまして、
D.は稚魚であります。
(以下、口頭の説明を記述するのみでは概略が明らかに
ならないので、長野さんの原稿より内容を抜粋)

 写真のほうのA~Cは浦戸湾水系で私たちが採集した個体で、
(A)は体長11mmの稚魚(B)が幼魚で体長112mm
(C)は若魚で全長280.4mmのものです。
これらはデータをとったあとすぐに放流しました。
(D)は成魚で全長640mmです。成長にともない体形が
このように変わっていきます。

この2個体は浦戸湾水系で採集した個体ですが
体色がずいぶん違います。上の個体が一般的なもので、
下はとても変わった体色をしています。これは色彩変異のものです。
この2個体もですが、先に見た稚魚から成魚まで全て生きている
時の体色でして、興奮時の体色です。
人間に捕まって興奮した時の色で、いつでもこういう体色を
しているわけではありません。
リラックスしている時は全体に灰白色っぽい白銀をしています。

釣り人と研究者との協力による成果についてお話しします。
この図は1993年7月4日号の旧「週間釣りサンデー」の1ページです。
私はこれを読んで仰天しました。
この記事のどこに驚いたかといいますとこういう記述がでてきます。
●体長90センチから雌に変わる性転換魚のようである。
● 狭い河口域で1メーターを越えるアカメはそう多くはない
ので釣りなどで捕獲されると雄ばかりになって激減しないかと
研究者は心配している。
などの記述でした。
当時、私は数十匹のアカメを釣り料理して食べていましたので、
60センチのアカメが立派な卵巣を持っていることはわかっていました。
また、アカメは河口の汽水域だけでなく一年をとおして沿岸で
生息していることもわかっていました。
愛読書の釣りサンデーがアカメについてこんな出鱈目を
書いてはいけないと、すぐに「釣りサン」に電話をしました。
電話で応対してくれたのは、当時編集長であった小西英人さんでした。
これをきっかけにサンプルや情報を研究者に届けることになり、
また私がその後、釣り雑誌に書いた記事などでも
広くサンプル提供を呼びかけたりしました。 
こうして釣り人が提供したサンプルがアカメの研究に大いに役立ちます。
小西さんとは後日談がありまして、私は「土佐レッドアイ」という
クラブに所属していますが、電話でのやりとりした、その秋、
ヒラスズキ釣りの取材で釣りサンから2人の記者が来ました。
その一人が小西さんだったのです。
小西さんは
「なあんだ、あのときのえらい剣幕の人が長野さんでしたか」
と驚き、みんなで大笑いしたことです。
土佐弁で話すと聞き馴れない県外の人はけんか腰だと誤解します。

釣り人と研究者の協力でどうした成果があったかを少し見てみます。
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プロフィール
HN:
ぴ~2
性別:
男性
自己紹介:
↑小川健太郎が
我が家の家紋にと。
忙しそうだが
元気でやってるのかしら。


高知県在住の
チンケな釣り人です。
別名 細川裕史とかや。


一般には、《外見》に
惑わされないように
しなければなりません。
あるオブジェを選ぶというのは、
たいへんむずかしい。
半月後にそれを
好きなままでいるか、
それとも嫌いになっているか
わかりませんからね。
美的な感動を何にも
受けないような無関心の境地に
達しなければいけません。
レディ・メイドの選択は常に
視覚的な無関心、
そしてそれと同時に好悪を
問わずあらゆる趣味の欠如に
基づいています。

マルセル・デュシャン
「デュシャンは語る」より
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