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・・・釣り人は、どこへ彷徨くのか?・・・
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佐賀在住のハンドル名 岩屋山亜式さんが北九州市の
シンポジウムへ参加し、某所へレポートを挙げてくれました。
MOTTAINAIので、ご本人にお願いしてココに転載許可を
戴きましたので、以下にその内容を記します。

《以下引用》

公開市民フォーラム
「外来生物について考える
~ブラックバス&ブルーギルを通じて生態系を考える~」


モグリ先生と御一緒に行ってきました.

ダラダラ長くなったので,最初に要旨を貼ります.

【要 旨】
北九州市環境局が主催し,「北九州市自然環境保全基本計画」
に基づいた施策の一環である.
具体的なテーマは「市民レベルの活動に釣り人を如何に巻き込むか」
「釣り人の協力=ノーリリース推進」である.
注目されたタカミヤ社長室長の発言については,バス及びバサーが
巻き起こす「事実」について概ね遠回しに認めたが,
生物多様性を重視する「価値観」については疑義を呈した.
「突然『悪者』にされてしまった感情的シコリは大きく,釣り人側から
対立を解くことは難しいが,受け入れるべきは受け入れて行く必要がある.」
が主旨である.
市域に事実上内水面漁業権が存在しない当地においてこうした
コンベンションが開催されたことは,従来バス問題において
決定的な対立が無く「無風」と捉えられていた地域でも,
今後こうした環境施策が推進されることが示唆される.

。。。。。。。。。。

このフォーラムの話を聞いて,最初は「ホェッ?」と思いました.
北九州市域は事実上の内水面漁業権が消滅していて,
漁協などと深刻な対立が聞こえてこない云わば「無風地帯」
だったからです.
トーナメントで有名な遠賀川は,北九州市の西端にあたり,
もちろん漁業権は存在しません.

主催者の言によると,過去に深刻な対立が無かったからこそ
「釣り人」の協力が得やすいハズとのことです.

具体的なテーマは,
「市民レベルの活動に釣り人を如何に巻き込むか」
「釣り人の協力=ノーリリース推進」
でした.

フォーラム自体は,「北九州市環境基本条例」により策定された
「北九州市自然環境保全基本計画」に基づいて北九州市環境局が
主催する「北九州市自然環境サポーター養成講座」の一環です.

今後は,従来無風地帯だったところでも,自治体独自の
環境保全施策の一環としてバス問題が顕在化していくことも
予想されそうです.

会場の椅子が足りずに一列追加して115席で,
開始時間にはほぼ満席でした.
同時に行われた「北九州自然フォトコンテスト表彰式」参加者(12名)
とサポーター(28名)及び後述の魚部の関係者(6名)を除くと,
60名前後が一般参加者と云うところでしょうか.
なお,うち3名は確実にバサーであり,私が見たところ
更に5名程度がバサーであったと思われます.

申し込みメールの御返事には
「まだ席に余裕が有りますのでお誘い合わせのうえ」と
ありましたので,主催者の予想以上に参加者が集まったのでしょう.

基調講演及びパネルディスカッションのコーディネータである
小早川みどり氏は,西南学院大学や福岡工業大学で非常勤講師を勤める
魚類学者で某氏によると「ナマズおばさん」だそうです.

小早川氏の基調講演は,「外来魚とは何か」「外来魚の問題点」
「外来魚への対策」「日本の淡水魚相の推移」「ブラックバス移入史」
「外来魚が引き起こしたこと」「ビクトリア湖で起きたこと」
「福岡県では」「忘れてはいけないこと」と云った流れで
進んでいきました.「バサー」には結構,気を使った言い回しでしたね,全体的に…

概ね一般的な内容であったと思われますが,
以下,気が付いた点をポツポツと…
「外来魚」の定義では,ワタカ・ハスの例を引いて「国内移入魚」も
問題であると触れていました.ワタカの標本を琵琶湖博に依頼したら,
遠賀川の方が獲れると回答されたそうです.
「外来魚」の問題点では,カスケード効果(次から次へと関連していく効果)
による専門家でも予測不可能な影響について最も強調されていました.
「フランケンシュタイン効果」と云う言い回しも出てましたが…
また,お若い時に琵琶湖で研究されていて,1980年に魚屋に並んだ
見慣れないスズキに似た魚を買って帰って食べたのがブラックバスとの
最初の出会いだったそうです.
当時はそれがバスとは気が付かなかったとのこと.
防除については,日本国内からバスギルを根絶することは不可能であろうが,
駆除を継続して数量を抑制することは可能であり,きわめて重要であるとのこと.
駆除の方法としては「タモ」「産卵床」「池干し」が有効で,
「産卵期の水位調整」も効果があるが,慢性水不足の福岡ではきついとのこと.
在来魚は「生息域の減少」「過剰な捕獲」「外来魚の脅威」の三重苦を背負っていて,
特に福岡県内には守るべきものが多数存在していて,
予防的防除の必要性が強調されました.
また,数量を減少させるため駆除を継続するには,
市民レベルでの活動が重要であり,釣り人を巻き込むことが必要であると…

スタートから押していて,基調講演が終了した段階で,20分の時間超過…

続いて「今、市民にできること」をテーマとしたパネルディスカッションです.
コーディネーターは引き続き小早川氏.
パネリスト(1)は,北九州高校「魚部」(釣部ではない)顧問の井上氏(国語の先生).
パネリスト(2)は,注目の(株)タカミヤ社長室長の橋本氏.水環境保全活動を
推進する(財)タカミヤ・マリバー環境保護財団の実質的責任者でもあり,
平成18年度からは指定管理者として今回会場であった
北九州市環境ミュージアム館長を兼任しています.
パネリスト(3)は,北九州市環境局都市環境管理課自然環境係長である森元氏で,
農業土木の方が専門らしいです.

先ずはパネリストによる事例報告から.すごく駆け足でしたが…

井上氏は魚部の紹介に始まり,北九州市立水環境館で行っている常設展や企画展,
外来魚アンケートについて報告されました.
常設展の説明パネルでは,女子生徒が気を使ってバスギルをカッコ付きの
「悪者」と表現したところ(※最初はカッコ無しのストレートな悪者だった),
アンケート回答に
「公共の場において、バスを『悪者』と決めつける表示に、不快感を覚えます。
『ブルーギル』もまったく同様です。きちんと『正しい表示』をお願いします。
もし、受け入れてもらえないのであれば、こちらも
それなりの『処置』を取ります。」とあったそうです.
企画展では「『逃がす、放す』は『捨てる』といっしょ」をテーマに
外来「種」展をやったが,盛り上がるのはバスギルばかりだそうです.
取材を受けた時,水辺の清掃活動はやらないと云ったら,地元TVのアナウンサーに
「ヒドイ」と云われたらしいです.

さて,注目の社長室長橋本氏の発言ですが…

冒頭,「一般的にみて,釣具屋の私は皆さんの敵とみなされるでしょう」
「うちの社長はバス釣り擁護の運動をしています」でした.
そのうえで「それだけでは私がここに来た意味が無いので,
バス釣りについて話をします」と…
あとはパワーポイントを流しながら,淡々と話を進めていきました.
その大部分はバス釣りの魅力と,バサーの心情の説明でした.
バス釣りの魅力については,攻撃的なゲームフィッシングであり,
従来の待ちの釣りとは概念が全く異なるモノであり,
時代を反映した新たな釣りと云えるとのことです.
その一側面がキャッチ・アンド・リリースであり,
バス釣りに最初からセットされたモノであって絶対的価値を持ち,
また「釣り人」にはバスを食べる習慣が存在しない.従って,
釣り上げて食べもしない魚を必ず殺せと云う論理は,
バサーには受け入れ難いと…
1992年に移植放流禁止の全国通達がなされたが,その後も周知は進まず
「悪意の無い放流」があったことは(自分の周囲では聞いたことは無いが)
予想はされる,と云う発言でした.
こうした「不法放流」の犯人扱い,また最近では
キャッチ・アンド・リリース自体も犯罪扱いされるため,「釣り人」にとって
決定的対立となっている.「釣り人」から見ると自分達が突然「悪者」
にされた感情的シコリは大きいと云う現状認識でした.
生物多様性を重視する「価値観」については,バスギル以外にも
多様な非意図的移入種が増大している現状で,その価値のみで
物事を進めることには疑問がある.問題が起こればすぐ騒ぎたがる
日本人の通弊ではないのか.
また,事実上駆除は無理であり,減らすことも難しいのではないかと…
奇麗事を云えば一般の人と「釣り人」にとって望まれる
水辺の自然感の違いは外来魚との「共存」の部分だけと思われるが,
「釣り人」にとっては釣れれば良いが本音であろうとのことです.
とは云ってもこのままで良いとも思えない.釣り人側から
対立を解くことは難しいが,受け入れるべきは受け入れて行く必要があろう,
キャッチ・アンド・リリースの絶対的価値の見直しも必要ではないか,
と云うことでした.

森元氏の事例報告は,外来生物法の解説に始まり,先進地である
琵琶湖リリ禁の取り組みの紹介,北九州市の外来魚対策の説明でした.
(市長選の結果にもよるが)来年度にはバスギル防除モデル事業として,
希少種の棲息域となっているため池の池干し,
頓田貯水池でのキャッチ・アンド・イートの釣り大会を予定しているとのこと.

続いてディスカッションに移りました.時間が無くてアッと云う間に終わりました…

【小早川】

釣り人を巻き込むことは,市民レベルでの活動を考える上で,是非必要である.
バス釣りも伝統的な釣りに戻ることは出来ないのか?
【橋本】
釣り人を巻き込むことは駆除にも必要であろうが,食べることは無理.
食べることについて釣り人は全く関心が無い.リリースを止めることに関しては
強制はできるが,条例などでやると極端な行動を誘発する可能性もある.
【小早川】
釣り人にとっても自然は残したいものであろうが,どこで話が食い違うのか?
【橋本】
確かに自然が無いと釣りは出来ないが,釣り人は釣りが出来る自然を望んでいる.
バスが与える影響より他のものが大きいとして,何故バスだけが悪いのか
と云う思いが強いと思われる.「皆しちょんやろう」と云う意識が有る.
だから,同じ自然と云っても理解し合えない.
【小早川】
「誰が悪い論」になって困るが,バスの被害を理解してもらわないのも困る.
啓発普及が大事であるが,行政はどのようにモニタリングして把握しているのか?
【森元】
モニタリングは完全には実施できていない.北九州市はほぼ内水面漁業権が無い
ので対立的要素が少ない.関心も低いが…
【小早川】
私が実施した学生アンケートでは,報酬があればノーリリースに協力してもよい
と云う回答が多かった.漁業権が無い状況では誰かが水辺を見ていかないと
荒れていく.市民レベルの活動の核として,釣り人の協力は必要である.
(ディスカッション終了)

続いて会場からの質問です.

【質問(1)】エコおばさん
白鳥の口にはバスは合わない?らしいので,飛来数が減っている???
ジャンジャン報酬出して釣り人にバスを減らしてもらえば?
【回答】
総員苦笑いで,明確な回答なし.

【質問(2)】
質問と云うより,橋本氏に対しての生物多様性の「価値観」も認めるよう要望.
【回答】
なし.

【質問(3)】高校教員バサー(生徒付き)
質問と云うより,アイ・ラブ・バスフィッシングの表明.
ここで話を聞いた皆さんは,家に帰ってそのまま子供や孫に「バスは悪者」
と伝えるのではなく,色んな本を自分で読んで自分で判断して欲しいとの要望.
【回答】
なし.

【質問(4)】自然環境サポーター
釣り上げられることによってバスもかなり傷つくと思うが,
特定の池とかでリリースを行う時とノーリリースの時の
バスの生残率のデータはあるのか?
【小早川】
琵琶湖などでデータは出ていたと思う.釣り上げたバスを戻さなければ
確実に数は減る.
【橋本】
ノーリリースにどれほど効果があるかは,自分達は把握していない.
釣り上げた魚を戻さないのだから,その分は確実に効果があろうと云う話である.

【質問(5)】
隣町の者だが,希少生物が棲息する水路にバスギルを流さないような
ため池の水抜きに良い方法はないか?
【小早川】
『駆除マニュアル』と云う実例集がある.時間があるのであれば,また相談して欲しい.
【森元】
排水口側のパイプなどにカゴを設置して魚を受け,選り分けて在来魚を戻すのが
一般的ではないか.(フォーラム終了)

。。。。。。。。。。

以上がレポートですが,私の所感を述べます.

「釣り人」を巻き込むことがテーマであるためか,
全体にかなり気は使ってもらってました.
コーディネーターの方も,対立点を回避して
「釣り人の協力=ノーリリース」を如何に進めるかに
話を持って行きたがっていて,逆に社長室長さんの
遠回しな「不法放流」肯定にストップをかける場面もありました.

社長室長さんについては,本当によくわかっていらっしゃる
と云う印象です.立場上はああしたものでしょう.
そう云うことだと思っています.

気は使ってもらったのですが,バサーについて理解が
足りなさ過ぎると云うのも実感です.

また,「リリース」,特にその心情面を一般の人に
理解してもらうのは,やはりかなり困難なようです.
いっそのこと,宗教的理由(と云うかそれに近いもの)
から一部地域では認めて欲しい,
と主張した方がよほど普通の人には解りやすいんじゃないでしょうか…

あと,こう云う公式の場で,ああしたバサーの発言を
直に聞いたのは初めてであったせいか,「恥ずかしくて」
たまらなく脱力しました.この「恥ずかしさ」は
私もバサーである証なんでしょうね,多分…

以上で,終わりです,

《引用 終》
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男性
自己紹介:
↑小川健太郎が
我が家の家紋にと。
忙しそうだが
元気でやってるのかしら。


高知県在住の
チンケな釣り人です。
別名 細川裕史とかや。


一般には、《外見》に惑わされない
ようにしなければなりません。
あるオブジェを選ぶというのは、
たいへんむずかしい。
半月後にそれを
好きなままでいるか、
それとも嫌いになっているか
わかりませんからね。
美的な感動を何にも
受けないような無関心の境地に
達しなければいけません。
レディ・メイドの選択は常に
視覚的な無関心、
そしてそれと同時に好悪を
問わずあらゆる趣味の欠如に
基づいています。

マルセル・デュシャン
「デュシャンは語る」より
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